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趣味の問題      


2000年 フランス 犯罪・スリラー

<監督>ベルナール・ラップ
<キャスト>ジャン=ピエール・ロリ , ベルナール・ジロドー , ジャン=ピエール・レオ , アルチュス・ドゥ・パンゲルン , シャルル・ベルリング

<ストーリー>
大会社の社長、フレデリック(ベルナール・ジロドー)は、ある日、レストランで働く青年ニコラ(ジャン=ピエール・ロリ)の食に対する感性を見いだし、自分の試食係として雇う。食物アレルギーのあるフレデリックのために、ニコラは、いつ、何処にいても、彼と食事することを要求される。完璧にその仕事を全うするニコラだったが、フレデリックは、さらに彼をコントロールしようとするのだった・・・。

<感想>
金持ちになると、普通の人が考えつかないようなことに喜びを感じるようになるのでしょうか・・・?
背筋が寒くなるような物語でした。
趣味の問題ということですが、これは、やっぱり悪趣味の部類ですねぇ。
幸か不幸か、大金持ちのフレデリックが考えていることは、私には全く理解することができなかったです。

試食係を雇うというからには、暗殺でも警戒しているのかと思っていたら、そんなこともなく、ただ、アレルギー源を摂取しないためという、不可解さです。そんなこと、シェフに聞けば済むことであって、ニコルを雇う理由にはなりません。

ただ、話が進んでゆくに従って、フレデリックの要求が過激になってくるので、彼の求めていることが、もっと他にあるのだということが、分かってきます。
彼は、自分の分身を作りたいのか、それともただ単に、サディストなのか、でも、ひょっとすると、マゾヒストなのかもしれないし、同性愛者なのかもしれないなぁとも、思えてきます。

普通に考えると、分身を作りたかったということなのかもしれませんが、分身を作って、いったいどうなるのか。分身が感じたことを自分も感じることが出来るのか・・・否です。意味ないです。やっぱり理解できませんねぇ。ひょっとすると、自分の息子を育てているようなつもりだったのでしょうか?
ただ、確かに、同じ感性を持つ人が近くにいたら、何をするにも感動を分け合えて、楽しいかもしれません。同じものを食べ、見、行動して、同じような感動に浸る・・・。彼は、それを求めたのかもしれないですね〜。

しかし、悲惨なのは、ニコラで、フレデリックに、いいように振り回されてしまって、あれでは、精神的におかしくなるのも、しょうがないです。彼は、フレデリックに近寄りすぎてしまったのでしょうねぇ。

映画は、事件前と、事件後の話が交互に出てきて、ニコルの身に、何が起こったのかが徐々に明らかになってきて、スリリングな作りになっています。
ニコラ役のジャン=ピエール・ロリが、素敵でした(^^)。(2006,06,15)



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