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ツリー・オブ・ライフ      


2011年 アメリカ (THE TREE OF LIFE)


<監督>テレンス・マリック
<キャスト> ブラッド・ピット, ショーン・ペン, フィオナ・ショウ、 ジェシカ・チャステイン

<ストーリー>
子どもたちを力で押さえ込もうとする厳格な父(ブラッド・ピット)と、優しい愛で包み込むような母親(ジェシカ・チャステイン)に育てられた3人兄弟の長男ジャックは、成長と共に、厳しい父親に反発するようになる。そして時はたち・・・。

<感想>
予告編を見たときから、これは、私向きではないなぁと思い、あまり見る気持ちになれなかった作品です。
でも、監督は、寡作で知られる名匠テレンス・マリック。
タダ券も余っていたことから、映画館に出かけました。

思った通り、宗教色の非常に強い映画・・・というか、神の存在を信じない、もしくは、考えていない人にとっては、違和感のある映画かもしれません。
まずは、神ありきの映画なのです。

冒頭で、尋ねられます
あなたは神を信じるか・・・?
信じない人は、利己的で、信じる人は、豊かな人生を送れる・・・。

じゃあ、宗教の事なんて日頃考えていない、ほとんどの日本人は、利己的な人間の集団なの?(^^;。
まあいいけど。

ただ、映像は、とても美しいです。
壮大な生命の誕生を描いた、環境映像を大画面で見せられた感じ。
これはこれで、美しいので、見ていて、飽きることはありませんでした。

そして、ストーリーとして、一つの家族の誕生から、ある収束までが描かれます。
子どもが生まれ、夫は父親に、妻は母親になり、
そして、子どもは成長して、いろいろな事を考えはじめ、親に反抗する・・・。
これは、宗教があってもなくても、どの国でも、同じように繰り返されている、人間の営みです。

そして、一つの命が終息するとき、人は、その悲しみをどう乗り越えるのか。

生命の誕生から終わりまでを、
宇宙や、地球になぞらえながら、
美しい映像と、心地よい音楽で、語りかけてきます。

絶対途中で寝てしまうと思っていた私は、案外最後まで、しっかり見ることが出来ました。
テレンス・マリック監督の映し出す、映像の美しさに、圧倒され、
そして、宗教云々ではなく、誕生そして、喪失という、人間として、根源的で、荘厳な営みを、改めて考えさせられ、感じさせられ、受け入れることが出来ました。

日本では、評価されにくい映画だとは思われますが、
たまには、こういう映画を見るのも、心を豊かにする一助になるかもしれませんねぇ。

寡作な監督なので、監督デビュー作以外は、全部・・・といっても、この作品を入れてもたった4作ですが(^^;、すべて見ました。我ながらすごい!(^^)。
こりゃ、デビュー作「地獄の逃避行」(この監督の映画の題名とは思えないねぇ(^^;)も、是非とも見なくちゃ(^^)。(2011,08,28)



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