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多重人格・シビルの記憶      


2007年 アメリカ

<監督>ジョセフ・サージェント
<キャスト>ジェシカ・ラング , タミー・ブランチャード

<ストーリー>
1920年代、アメリカ。女性心理学者ウィルバー(ジェシカ・ラング)は、ヒステリー患者と思われるシビル(タミー・ブランチャード)を担当することになる。シビルから話を聞いているうちに、ウィルバーは、彼女の中に違う人格が存在していることに気がつく。しかし、この時代、医学界では、まだ多重人格は認められていなかったので、ウィルバーの主張は、一笑に付されるのだった・・・。

<感想>
この作品は、日本では、劇場公開されず、DVD発売もなく(^^;、WOWOWでの放送だけだったようです。
原作は、全米ベストセラー「シビル―私のなかの16人」。一時期、日本でも話題になった、ダニエル・キースの「24人のビリー・ミリガン」のような、多重人格を扱った作品です。
しかも、これは、さらに時代がさかのぼるわけで、アメリカでも、当時まだ、多重人格という病気の存在が認められていない時代です。医学界でも、このような患者は、ヒステリーだとか、患者の演技だとか言われていたようです。
実際、とてつもなく演技のうまい人がいろいろな人格を演じていると言われても、そうなのかなぁ、すごいなぁと思ってしまうかもしれませんね〜。
ただ、本人にとっては、悲惨です。
他の人格になっている間は、記憶がなくなっているわけで、突然、知らない場所にいたり、買った覚えのない持ち物があったり、もうこうなると人生ボロボロですよねーーー。

この映画は、そんな患者シビルと、彼女の担当医ウィルバーの物語です。
ヒステリー患者だと思って観察していた患者・シビルが見せた人格の変化に、ウィルバーは驚き、彼女に深い興味を示します。そして、彼女のそれまでの人生を検証してゆくと・・・。
人格が統合されてゆく過程が描かれていなかったのがちょっと物足りなかったですが、やはり多重人格の話は、引き込まれます。

シビルを演じたタミー・ブランチャードの演技が、すばらしかったです。
全く違う人格を、同じメイクのまま、ちょっとした仕草や、目つき、言葉遣いなどで、完璧に演じ分けています。演技力のある女優さんですね〜。
主演は、久々に見るジェシカ・ラング。ちょっと年取ったかな〜とは思いましたが、男社会で孤軍奮闘する男勝りの女性心理学者役が、よく似合ってました。(2009,06,12)



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