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トランスアメリカ      


2005年 アメリカ アドベンチャー・コメディー   

<監督>ダンカン・タッカー
<キャスト>フェリシティ・ハフマン , ケヴィン・ゼガーズ , フィオヌラ・フラナガン , エリザベス・ペーニャ

<ストーリー>
性同一性障害のブリー(フェリシティ・ハフマン)は、女性になるための最後の手術を控えて、万全の準備を進めていた。そんなある日、彼女に、ニューヨークの拘置所から、電話がかかってくる。こう留されているトビー(ケヴィン・ゼガーズ)という少年の父親であるスタンリーを捜しているというのだ。実は、スタンリーとは、ブリーの男性時代の名前で、その頃、1度だけ、女性と関係を持ったことがあったのだった・・・。ブリーは、トビーの身元引受人になるために、ニューヨークへと向かう。

<感想>
性同一性障害に悩む女性が、世間に”埋没”しながら、普通の女性として生きようとする、まさにその時、そんな彼女の前に、突然、息子が現れて・・・。

今まで、ドラッグクイーンなどの派手派手な映画は、何本か見たことはありますが、この映画の彼女、ブリーのように、ただただ、女性として普通の生活をしたいという、当たり前の望みを手にしようとする女性の話は、新鮮に感じました。
彼女は、食堂の洗い場で働いたり、テレフォンセールスでノルマをこなします。地味な仕事で、お給料もそんなに高くなさそうなのに、たくさんの費用がかかる手術費を稼ぐのは、さぞ大変だったことでしょう。

そして、何よりも、心が痛いのは、自分の肉親、特に、母親が、彼女のことを認めていないということでした。母親としては、男の子として普通に産んだ子供が、女になるというのは、受け入れがたいことで、自分を否定されたような気がするのかもしれません。それは、ブリーにとっても、同じ事なのですが・・・。

ただ、映画自体は、そんな重いだけの映画ではありません。ブリーの行動や、ちょっとした行き違いなど、笑わされるところも多々あり、楽しい映画でもありました。

そして、何より驚いたのは、ブリーを演じたフェリシティ・ハフマン。映画が公開されていた時に、女優さんが演じていたということは聞き知っていたはずなのに、映画の途中まで、男優さんが演じているのだと思いこんでいたほど、男性っぽかったです(^^)。背も高いし、顔も、ごつごつしているし、何より、声が、男性が、無理に女性の声を出している感じなんですよーーー、これにはびっくり。
フェリシティ自身も、この声に一番苦労したらしく、撮影期間中は、ずっとこの声で、過ごしていたのが大変だったらしいですね〜。

トビーも、17歳というには、少々、子供っぽいけれど、男娼として生活していた大人びた顔も持ち合わせているという難しい役所を好演していましたし、なにより美形で、目が釘付けでした(^^)。 (2008,05,25)



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