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フィフス・シーズン 春の来ない村     


2012年 ベルギー・オランダ・フランス(LA CINQUIEME SAISON)
ミステリー   

<監督>ピーター・ブロセンス , ジェシカ・ウッドワース
<キャスト> アウレリア・ポワリエ , ジャンゴ・シュレヴェンス

<ストーリー>
ベルギーの、とある村の冬。春を迎える祭りが賑やかに開かれるが、そのメインイベントで、たき火に火が付かないというアクシデントが発生する。人々の不安は当たり、その年の”春”は来ず、作物は芽を出さず、牛はミルクを作らず、蜂は死んでしまう・・・。

<感想>
WOWOWで放映した映画で、日本未公開作品です。

難解ですが、美しい映画でした。
映像のひとつひとつが、どこを切り取っても絵画になるようなそんな芸術的な映画でした。

ストーリーは、厳しい冬が終わり、待望の春になっても、作物は芽を出さず、牛は乳を出さず、蜂は死んでしまう・・・という破滅的状況になってしまった農村の物語です。
収穫が出来ないということは、全てを失ってしまうということです。
村の人々の心は荒(すさ)み、そのまま、夏が来て、秋になり、再び冬を迎えます。

暗くて、寒々とした雰囲気で、先日読んだカズオ・イシグロの「忘れられた巨人」をちょっとだけ思い出しました。
自分たちでは、どうにもならない不幸の中で、大切なものを自分自身で壊した人間は、もはや人間ではなくなってしまうのかも。
では、どうしたらいいんだ?!と、逆に問いかけたい映画でした。

ヴェネチア国際映画祭でヤング・シネマ賞など2部門に輝いたそうですが、日本でDVDは発売されてないようです。(2018,08,16)



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