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ヘルプ 心がつなぐストーリー      


2011年 (THE HELP)
   

<監督> テイト・テイラー
<キャスト> エマ・ストーン , ヴィオラ・デイヴィス , ブライス・ダラス・ハワード , ジェシカ・チャステイン , シシー・スペイセク , メアリー・スティーンバージェン

<ストーリー>
大学卒業後、新聞社に勤め、家庭欄のコラムを担当することになったスキーター(エマ・ストーン)は、家事のベテランである、黒人メイドのエイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)に話を聞くことにするが、彼女と接する内に、黒人メイドの境遇に、改めて驚きを覚える・・・。

<感想>
「モナリザ・スマイル」を見た時にも、わずか50数年前のアメリカの常識が今と大分違うことに驚きましたが、この映画を見て、また、同じ思いを感じました。
女性は、ある程度の学歴を得た後は、すぐに結婚=幸せ・・・という方程式。
そして、黒人に対しては相変わらずの根拠のない深い差別。
奴隷解放があり、公民権運動があっても、人種差別法が歴然と存在していたことに驚きです。
特に、この映画の舞台となっているのがアメリカ南部ということで、その状況は深刻です。
黒人のメイドを置く裕福な白人家庭にとって、ここに描かれていたことは、当時は常識だったのでしょう。

しかし、差別の現実には、とても矛盾を感じました。
黒人は、汚くて、どんな菌を持っているかもしれないので、自分たちと同じトイレは使わさない・・・といいながら、自分の食べるものは黒人に作らせ、最愛の子供の世話をメイド任せにする。
そのあたりの矛盾は、どう自分の中で折り合いをつけていたのでしょうか。不思議です。理解できません。

そんな地域にあって、黒人の境遇に違和感を覚え、それを本にしようとする主人公スキーター。
でも、彼女にしても、常識にとらわれ、早く伴侶を見つけようと躍起になっている様子でした(^_^)。
そんな彼女が周りの人間とちょっと違ったのは、育ててくれたメイドを失った事への悲しみの強さだったのでしょうか。
たったそれだけのこと・・・でも、そのちょっとした違和感が、案外大きくて、力強いものなのかもしれません。
それにしても、KKKが幅をきかせている地域で、彼女に協力したメイド達の身の安全が心配でなりませんでした(T_T)。

ストーリーは、女性がメインなので、人種問題の映画としては華やかなシーンも多く、女性ならではの笑いを誘う話もあって、肩肘張らずに見ることが出来ました。

題名の”ヘルプ=help”は、家政婦=メイドの意味なんですね。(2015,06,20)



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