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火火(ひび)      


2004年 日本 伝記   

<監督>高橋伴明
<キャスト>田中裕子 , 窪塚俊介 , 池脇千鶴 , 岸部一徳 , 塩見三省 , 石黒賢 , 石田えり

<ストーリー>
滋賀県信楽町で、女手ひとつで2人の子を育てながら、女性陶芸家として、穴窯による自然釉の復活に人生を賭ける、神山清子(田中裕子)。電話も止められてしまうほどの貧乏のなかで、彼女はひたすら土をこね、窯で焼いた。そんな彼女の執念が実を結んだとき、長男、賢一(窪塚俊介)が病に倒れる・・・。

<感想>
実在の陶芸家、神山清子さんの物語です。
陶芸の道で精進し、そして、成功する、一人の女性の伝記かと思って見ていたのですが、後半、息子の賢一が病に倒れてからは、闘病映画になりました。

その病気とは、白血病。
この病気は、映画や小説の中でもよく登場します。有名人でも、この病気の方がいらして、不幸な結果になることもありますが、治療法もかなり進歩して、骨髄移植治療などで多くの方が治癒しているということです。
神山清子さんは、この公的骨髄バンク設立に大きな役割を果たした方でもあるそうです。
そういうわけで、この映画は、この病気を美化することなく、ありのままに描いていて、とてもリアルでした。見ていて、辛くて、悲しくて、涙が止まりませんでした。というか、泣きすぎて、呼吸困難になりそうでした(T_T)。

主演は、田中裕子。
彼女の演技力は、定評がありますが、この映画の彼女は、鬼気迫るような激しさと、愛情を、スクリーンにぶつけるかのような強さで演じています。
実際の神山清子さんもおそらく、こんな感じの強い女性なのでしょうねぇ。
映画を見ているとき、しばしば自分ならどうするか?と、映画の人物を自分と置き換えて考えることがあるのですが、彼女のような強さは、私には、とうてい持ち得ないでありましょう。
この映画で映画デビューの窪塚俊介も、なかなかいいです。窪塚洋介の弟なので、ちょっとしたところが、お兄ちゃんと似ていますが、彼の方が、しっかりと地に着いた骨太の演技をするようです。

この映画を見た方が、骨髄バンクについての理解をさらに深めることが出来ればと思いました。(2006,12,28)



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