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ぼくは怖くない      


2003年 イタリア ミステリー・スリラー   

<監督>ガブリエレ・サルヴァトレス
<キャスト>ジョゼッペ・クリスティアーノ , マッティーア・ディ・ピエッロ , アイタナ・サンチェス=ギヨン

<ストーリー>
南イタリア。1978年の夏休み。10歳の少年ミケーレ(ジョゼッペ・クリスティアーノ)は、友達と、自転車に乗って、遊び回っていた。そんなある日、遠出をした彼らは、ある廃屋を見つける。その帰り道、落とし物をしたミケーレは、廃屋の庭に、不思議な穴を発見する。中を覗くと、なんとそこには、鎖に繋がれた少年がいた・・・。

<感想>
少年たちのある夏休み。友達と遊び回る楽しい毎日。そんな日常の中に、大人の事情の非日常が交差する・・・。

穏やかそうに見える子供の世界にも、力による上下関係があったり、掟があったり・・・。そして、南イタリアの田舎の美しい風景と、彼らの周りにある身近な自然に、ノスタルジーを感じたり・・・。このまま、少年の普通の夏休みの出来事で、映画が終結するのかと思っていると、それは大間違いでした。

ある日、ミケーレは、謎めいた穴を見つけ、その中に、見知らぬ少年がとらえられているのを発見します。そのミステリアスな出来事は、ミケーレを虜にし、毎日彼は、穴の中の少年の元に通うようになるが、その少年は、ミケーレの両親を含む大人たちの、ある秘密そのものだった・・・。

伸びやかな自然の風景がつづく日常の中に、突然混ざる非日常の世界が、ある意味ショッキングな物語でした。
子供の目から見ると、大人の世界は、こんなふうに、わけが分からないように、映るのかも知れません。

穴の中にとらえられた少年との関わりが、ミステリアスで、途中から予想可能な結末は、緊張感を高めます。

直感的に、大切な事は何かを感じたミケーレの行動は、結局、大人達を助けた事になるのでしょうねぇ。

子供の世界と、大人の世界との対比がとても印象的な作品でした。(2008,06,13)



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