シネマチェックトップページ50音別indexハ行index

パフューム ある人殺しの物語      


2006年 ドイツ・フランス・スペイン 犯罪・スリラー   

<監督>トム・ティクヴァ
<キャスト>ベン・ウィショー , ダスティン・ホフマン , アラン・リックマン

<ストーリー>
1738年7月17日、パリの魚市場で、一人の赤ん坊が生まれた。産み落としたまま去ろうとした母親は、子殺し未遂で死刑になり、赤ん坊は、グルヌイユ(ベン・ウィショー)と名付けられて、育児所に引き取られる。そんな悲惨な出生の経緯を持つ彼は、たぐいまれなる嗅覚の才能を持っていた・・・。

<感想>
映画が始まって数分で、映画の世界に引き込まれ、その世界にどっぷりとはまり、そのままラストまで一気に見てしまいました。
といっても、最初の映像は、当時、パリの中でも最も悪臭漂うといわれる魚市場。いかにも臭そうで汚い映像が続いて、思わず、顔をしかめたのですが・・・。

生まれ落ちたときから、不幸の影をまとった主人公グルヌイユ。ひとつのいいこともなく過ごしてきた彼には、しかし、唯一最高の才能が、生まれながらにして備わっていたのです。ただ、それも、彼を人並みの幸福な人生に導いたわけではなかったのですが・・・。

主演のベン・ウィショーは、初めて見る俳優さんで、予告編を見た段階では、どうだかなぁと思ったのですが、この映画は、彼の、役になりきったすばらしい演技で、見応えのあるものとなりました。
天才的な才能を持ち、その才能をひたすら花開かせるためだけに生きたグルヌイユ。でも、それは、ストーカーであり、そして、まさしく殺人者でもあったわけです。

ラスト近くの、あの予告編でも流される群衆のシーン。私は、あの後、あのような結末をもたらすとは、思ってもいなかったので、本当に、驚きのシーンでございました。
人によっては、予告編で流された段階で、ネタバレと感じた方もあるようですが、うっかり者の私は、全くそんなこと考えず、感動できたのは、幸せでした(^^)。

中には、あれま!と思うようなつっこみを入れたくなるシーンもあるのですが、この映画は、「大人のための残酷な童話」なのだと思えば、それもアリかなぁと思ったのでありました(^^)。(2007,03,05)



シネマチェックトップへ