満ち足りた家族　　　　　　 ２０２４年　韓国　（A NORMAL FAMILY） ミステリー　　　　 ＜監督＞ホ・ジノ ＜キャスト＞ ソル・ギョング, チャン・ドンゴン ＜ストーリー＞ 弁護士のジェワン（ソル・ギョング）と、弟で医師のジェギュ（チャン・ドンゴン）は、それぞれ家庭を持ち、月に一度は、夫婦でともに食事会を開いていた。そんなある日、それぞれの子供が関与する事件が起こる・・・。 ＜感想＞ 裕福で、社会的に成功を収めた兄弟が、その子供たちの行動によって窮地に立たされる話でした。 題名から、ちょっと太平楽なコメディーかなと思って見始めたのですが、最初から緊張感のある映像で、画面から目が離せず、かつ、自分ならどうするだろうと考えながらの鑑賞となり、 見ている間は、肩に力が入り、終わったときには、ガチガチに疲れてしまいました。 社会的に成功しているからこそ、そして、子供を愛しているからこその苦悩。 つらいですねぇ。 そして、その忌まわしい事実を隠蔽してしまえる状況にあるとき、人はどう行動するのでしょうか。 一番楽なのは、そのままその事実を無かったこととして放置してしまうこと。ただ、この場合は、心の葛藤とともに、一生びくびく暮らしていくことになるかもしれません。 それとも、完全に忘れ去ってしまうのかも。 正義は、その事態を公にして、審判を仰ぐこと。 しかしこれは、この二つの家族にとっては致命的で、かつ、子供にとっては、描かれていた将来が潰えてしまうことを意味します。 さて、親ならば、どちらを選ぶのか。 映画では、この二つのシナリオ以外の最悪の結末となっていて、愕然としました。 原作はオランダ人作家ヘルマン・コッホのベストセラー『冷たい晩餐』 イタリアでも、アメリカ（主演はリチャード・ギア）でも映画化されているそうです。(2025,10,13)