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レイチェルの結婚      


2008年 アメリカ ロマンス   

<監督>ジョナサン・デミ
<キャスト>アン・ハサウェイ , ローズマリー・デウィット , デブラ・ウィンガー

<ストーリー>
ある施設を退院したキム(アン・ハサウェイ)が向かうのは、彼女の実家、バックマン家。家では、2日後に姉レイチェル(ローズマリー・デウィット)の結婚式を控えて、その準備に大わらわだった。家に帰ったキムは、父親(ビル・アーウィン)や、姉に歓迎されるが、お互いに、どことなく、ピリピリした雰囲気を感じていた。そんな中、姉の結婚式が始まるのだが・・・。

<感想>
今までのイメージと違うアン・ハサウェイを見たくて、映画館に行ってきました。

カメラは、依存症治療のために入っていた施設を退院したキムを、ドキュメンタリータッチで追います。
家に帰る途中で寄った商店で掛けられる言葉、どことなく他人行儀な家族。花嫁の付添人のごたごた。そして、イーサンという名前・・・。
何を指しているのか分からないそれらが全てが、キムの胸には応えているようでした。
いったいキムに何があったのか?

前半は、周りに暴言を吐いたり、場の雰囲気を壊してばかりいるキムに、反感ばかりがつのりました。
こんな人間がいたら、周りは、大変だろうなと、彼女の家族がとても気の毒でした。

そして、何かと問題を繰り返すキムに、必要以上に気を使う父親。事ある毎に突っかかってくる妹キムに手を焼き、彼女のために自分が、どれほど寂しい思いをしたかを訴える姉、レイチェル。そして、父親と離婚して、キムと距離を置こうとする母親。
もし自分が、彼らの立場に置かれたとしたら、このような彼らの態度は、それぞれとても納得できました。

でも、徐々に分かってくるのです。彼ら以上に、深く深く悔やみ、傷ついてしまっているキムのことも・・・。

家族なのに・・・いえ、家族だからこそ、お互いに傷つけ合ってしまう彼ら。
でも、その根本には、やはり深い愛情があることが感じられたのが、救いです。他人なら、こんな事や態度、許せるはずがないのですから。

彼らの心の傷は、まだまだ癒えてはいません。
キムの退院も、レイチェルの結婚のための、一時退院だったようですし、家族は、また、ばらばらになってしまいました。
それだけ、家族の問題は深くて、複雑で、すぐには、元通りになるものではないのでしょう。もしかすると、これから一生掛けて、少しずつ、修復してゆかなければならないのかもしれません。でも、心の奥深くには、家族の絆があるのだと信じたいです。

アンの演技は、繊細で、見ていて苦しいほどでした。大きな目が感情を写す鏡のようでした。
「プリティ・プリンセス」のイメージの強かった彼女も、考えてみると、今まで、幅広くいろいろな役を演じてますね。アカデミー賞では、歌のうまさにも驚かされました。これからますます楽しみな女優さんです。
驚いたのは、母親役のデブラ・ウィンガー。もう、こんな役をやるんですか!!(^^;。

レイチェルの結婚式も、一風変わった多国籍&手作り感があって、面白かったです。なんといっても、ゾウの乗った青いケーキは、見事!!(^^)。(2009,04,18)



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