シネマチェックトップページ50音別indexラ行index

隣人13号      


2004年 日本 サスペンス・アクション

<監督>井上靖雄
<キャスト>中村獅童 , 小栗旬 , 新井浩文 , 劇団ひとり

<ストーリー>
小学生時代に、凄惨な、いじめにあっていた村崎十三(小栗旬)は、10年後、地元に帰って、工務店で働き始めた。そこには、かつてのいじめっ子、赤井トールが勤めていて、大人になっても、自分より弱い人間をいじめる最低のヤツだった・・・。

<感想>
冒頭から凄惨ないじめシーンがあるので、見るのを止めようかと、何度も思いました。
こんな目にあいながら成長する子供がいることが、可哀相でなりません。これでは、生きる気力をなくしてしまうのも、分かります。どうにかならないんでしょうかねぇ。でも、どうにもならないから、こんなコミックが出てくるのでしょう。そう、この映画の原作は、コミックなのです。
コミックが原作の作品は、映像になると、やたらと表現が大げさに見えるので、あまり好きではないですが、この映画も、その傾向でした。あんまり気持ちのいいものではありません。

いじめに対する怒りや悲しみを抱えたまま成長した十三は、いつしかその沸々と煮えたぎるような感情を抑えきれずに、凶暴な別人格13号を誕生させ、その人格に引きずられるように、自分をいじめた人物に近づいてゆき、狂気の復讐を始める・・・。

普段の十三は、小栗旬で、可愛くて弱々しい好青年なのですが、彼の別人格の13号は、中村獅童が冷酷に演じています。2人が、時として入れ替わるシーンは、なかなかの迫力で、視覚的にとても効果的でした。特に、最初の方は、13号の顔が見えないので、怖ろしさが倍加されるようでした。

ただ、徐々に13号の力が増大してきて、いじめとは関係ない人物まで、攻撃しはじめるのが、ちょっと納得がいきませんでした。そのことにたいして十三が、恐れや葛藤を、持たなかったのでしょうか。その時点で、すでに、彼の身体は、13号に、支配されてしまっていたのかもしれませんが・・・。

主演2人は、自分の役柄をしっかり演じていたように感じました。特に中村獅童は、シュールな演技で、その迫力のせいか、すごく身体が大きく見えました。
赤井トールの、元レディースといった感じの妻を、パフィーの吉村由美 が演じていましたが、はまってましたね〜(^^)。

ターゲットが子供になったり、暴力シーンが多かったりで、あまり見ていて、気持ちのいい映画ではありません。見るときは、気をつけてくださいませ。(2006,08,28)



シネマチェックトップへ