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利休にたずねよ      


2013年 日本
時代劇   

<監督>田中光敏
<キャスト>市川海老蔵 , 中谷美紀 , 伊勢谷友介 , 大森南朋 , 成海璃子 , 袴田吉彦 , 檀れい , 大谷直子 , 柄本明 , 伊武雅刀 , 中村嘉葎雄

<ストーリー>
秀吉(大森南朋)によって切腹を命じられた茶人・千利休(市川海老蔵)は、最期の時を妻(中谷美紀)と過ごしていた。一時は、織田信長(伊勢谷友介)や、秀吉の茶頭として、名声を得ていた利休が、何故、切腹を命じられたのか。時代を、さかのぼって、利休の一生を描く・・・。

<感想>
4年前に原作(直木賞受賞作)を、面白く読んだのですが、映画も、原作に添った作りで、違和感なく楽しめました。

登場人物は、信長から瓦職人までと多彩なのですが、それぞれに、利休との関わりが描かれていて、彼のこだわりや、美への思いが、自然に理解できるようになっています。

そして、そのような利休の生き様とは別に、ひとつの道具に込められた利休の思いを紐解いてゆくという、謎解きのような部分もあるので、歴史として見るだけではない面白さもありました。

私には、茶道のわびさびなど、到底分かりかねるのですが、シンプルで、そして、ぴんと張り詰めたような、映像の美しさは、普段、ゴテゴテした中で生活している私には、ことさら美しく感じました。

主演の市川海老蔵は、最初、キャスティングを聞いたときは、ちょっと威勢が良すぎるのではと思ったのですが、若いときのやんちゃぶりはさておき、晩年は、ぐっと抑えた演技が決まっていましたし、着物を着慣れた人の所作の美しさは、さすがでした。

利休を理解し、利休の考え方や心に寄り添うように、静かに、そして気丈に生きた妻を演じた中谷美紀も、すばらしかったです。
彼のような人の妻として生きるのは、もう、それだけで、一つの偉業ではないかと思ってしまいました(^_^)。(2013,12,14)



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