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わらの犬      


1971年 アメリカ (STRAW DOGS)
犯罪・スリラー   

<監督>サム・ペキンパー
<キャスト> ダスティン・ホフマン , スーザン・ジョージ

<ストーリー>
妻(スーザン・ジョージ)が昔住んでいたイギリスの家に移住してきたアメリカ人の学者デヴィッド(ダスティン・ホフマン)は、周囲の好奇な目にさらされつつも、地域に溶け込もうとしていた。しかし、村人たちの行動は、次第に、たがが外れてゆく・・・。

<感想>
サム・ペキンパー監督の「わらの犬」です。
いつか見たいと思って録画済みでしたが、結局WOWOWの放映でやっと見ることができました。
ホラーではないのに、見ているうちに、ホラー映画のような不穏な雰囲気にドキドキしてしまいました。

まじめで気弱な学者と、田舎町の荒くれ者との話です。
この荒くれ者たちは、ならず者、もしくは、犯罪者と言ってもいいぐらいのひどい男たちで、この村に正義はないのか?!と憤ってしまいました。
もちろん村には、まともな人間もいて、彼らを抑えることも出来るはずなのですが・・・。

終盤の事件は、突発的な事故も絡み、起こるべくして起こった惨劇です。

デヴィッドの行動が過剰な暴力だと言われていますが、ああでもしなければ、自分と家族の命が危なかったわけで、非難される行動とは思えませんでした。
むしろ、それまで行動力のなかった学者さんにしては、よくやったと思いました。
最後にニヤリとするデヴィッドが、少々不気味ではありましたが・・・(^_^;。

題名の「わらの犬」は、老子の「天地不仁、以万物為芻狗」に由来しているそうです。
人間も、天にとってはただの生け贄の人形=「わらの犬」のようなものなので、天にすがっているだけではダメということでしょうか。

最近、日本でも理不尽な暴力事件が報道されることもあり、そんな時はいったいどう行動すればいいのだろうと、映画を見ながら徒然と思ったりしました。

1971年の作品ですが、古さを感じさせない迫力ある作品でした。
若きダスティン・ホフマンが好演です。(2018,02,04)



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