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五月のミル      


1989年 フランス 

<監督>ルイ・マル
<キャスト>ミシェル・ピッコリ , ミュウ=ミュウ

<ストーリー>
1968年5月、南フランス、ジェール。ヴェーザック夫人(ポーレット・デュボー)が急死し、同居していた長男のミル(ミシェル・ピッコリ)は、親戚に、母の死を伝える。時は、5月革命の最中で、ガソリン不足や、ストで、混乱の中、次々と、ミルの兄弟や子供達が駆けつけてくるのだが・・・。

<感想>
群像劇です。
様々な人が、勝手なことを言い合ったりする様は、ロバート・アルトマン監督の「ウエディング」という映画を思い出しました。あちらは、結婚式ですが、こちらは、正真正銘のお葬式です。
親戚が集まって、まず何をするかというと、遺産相続の話。そのドライな考え方と、行動は、やはり日本とは、違いますねぇ。日本の、初七日とか、四十九日という風習は、煩わしいと思っていましたが、実は、理にかなった、いい風習なのかもしれません。

ただでも、珍しく親戚が集まって、バタバタしている上に、フランスは、5月革命のその時で、パリでの大規模なストの余波が、田舎町であるこの地域にも、押し寄せてくるのです。

淡々とストーリーはすすみますが、微妙な時代と出来事の中にも、ユーモアがちりばめられたりしていて、ブルジョア階級の人たちの滑稽さも、印象に残りました。慌ただしい中での彼らの食事風景も、一見の価値があるかな。
あのガランとした屋敷の中で、ミルは、これからも生きてゆくのでしょうねぇ。(2007,06,12)



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