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「玉蘭」 桐野夏生 2001.03.26







東京戦争に敗れた女は、世界の果てにたどり着いた。
玉蘭の花が枯れるとき、幻の船に乗って失踪した男が現れる。
愛を知るには73年の月日が必要だった。
あんなに抱き合ったのに、肝心の話はしてなかった。
人・仕事・キャリア。すべてをすてて上海に留学した有子に、若き日の大叔父が幽霊となって会いに来た。
70年前。戦時下の上海で大叔父は、一人の女を愛した。時の流れを越え、
飢えた魂の孤独を抱えながら生きる男と女。交錯するふたつの恋愛の果てに何を得るのか(帯より)


私から見ても、ちょっと頑なすぎる有子。
これでは、男は、疲れてしまう。
でも、客観的に、ならなければ、本人には、分からないことなのでしょう。
それぞれの時に、最善と思って、生きている人たち、確かに生きたという確証を得たい人々。
わかりすぎるほど分かります。その人たちを玉蘭という花で、結びつけて、話は、進みます。