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「蛇を踏む」  川上弘美 2002.05.06







女は藪で蛇を踏んだ。踏まれた蛇は女になって、食事を作って持っていた・・・・
母性の眠りに魅かれつつも抵抗する若い女性の自立と孤独 (帯より)




毎年2回、同時期に発表される芥川賞と直木賞。
この違いを私は、純文学と、大衆文学だと思っていました。
だから、芥川賞は難解で、苦手だったのですが、実は、短編と、長編の違いなんだとか・・・(^^;。

この作品は、第115回芥川賞受賞作品です。
私のもっとも苦手な作風(^^;
読んでも、なんだか分からなかったです(^^;
ある朝踏んでしまった蛇のことを思いつつ家に戻ると、やっぱり、蛇が人間になって座っていた!?(蛇を踏む)
一見、普通の書き出しから始まるのですが、だんだんと、訳が分からない世界に連れて行かれます。
「消える」も、それ以上に、摩訶不思議。
「惜夜記」は、夜に関する不思議な世界の連作集でした。
あとがきに、著者は、自分の書く小説を「うそばなし」と書いています。
そして、その「うそ」の中で遊んでみてくださいと言っていました。なるほど!

前に読んで、とっても好きだった「センセイの鞄」と、淡々と話が進むところは同じなのですが、全く趣の違った小説でした。