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「あかんべえ」   
宮部みゆき 02.07.12



江戸・深川の料理屋に化け物が現われた。
娘・りんがその騒動の真相を探るうち恐ろしい過去の事件が浮かび上がる!
長編時代ミステリー。
『歴史街道』連載に加筆・訂正を加えて単行本化。
(「MARC」データベースより)


 私の苦手な時代物です。何故苦手かというと・・・?よく分からないのですが、その言葉遣いとか、女性の名前の特徴のなさが原因でしょうか。
 しかも、この本の主人公は、12才のりん。彼女が、幼いながら、大人顔負けの推理をして、事件を解決してゆきます。この流れも、嫌いなのでした。こんなに賢くて、良くできた子供なんて、ちょっとかわいげがない。
 ただ、作中出てくる成仏できないお化けさん達の、なかなか個性的なこと、これは、特筆すべき点でした。こんなに、怖くなくて、人間味あふれるおばけさんなら、私もちょっと会ってみたいものです。特に、蒸し暑く、寝苦しい夏の夜など、おみつさんに添い寝して欲しい(^^)。
 また、登場人物(お化けさんも含む)が、多くて、ふな屋の座敷で行われた2回目のお化け比べの時など、頭の中が、混迷の極みになりました(^^;。誰に誰が見えて、誰は見えないとか・・・(^^;。一気に読むと言うより、そこら辺を整理しながら、じっくり読む本かも知れません。
 ただ、そこを乗り越えると、やはり、宮部さん、ラストは、心を震わせてくれます。少し泣きました。