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「わだつみの森」   
濱岡 稔   03.02.07

    


嵐の夜、偶然出会った五人の男女が辿り着いた海辺の洋館。
女性ばかりが三人住むその館で起こる目的不明の連続殺人。
残された奇妙な状況と数々の謎が導き出す結末とは…? ((「MARC」データベースより)



嵐の夜の孤立した洋館といえば、ミステリーの王道です。
軟弱読者の私には、本格と新本格の区別がもひとつよく分かっていないのですが、閉ざされた場所での殺人系のミステリーは一時凝っていてよく読んでましたので、とても懐かしさを感じました。
奇妙な名前の登場人物といい、とても私にはついてゆけない会話の内容といい、凝った作りの館といい、いかにもという舞台装置がちりばめられています。
謎解きも笑ってしまうぐらい難解で、私がいくら頭をひねってもとうてい解けないようなものでした。それでも、この手の謎解きが好きな人には、たまらない魅力の小説なのでしょう。
ラストまで読み終えると、思わず、もう一度はじめの方を読み直してしまいました。