シネマチェックトップページbook作家別index題名別index     




「K・Nの悲劇」    
高野和明   03.07.04

    
男女の問題。性の迷宮。生命の神秘。乗り移られる恐怖。心の中の別の人。
『13階段』の著者が描く、戦慄に満ちた愛の物語。
(背表紙より)



久しぶりにホラーを読んだのですが、ほんと、怖かったです。夜中に読んでて背中がぞぞっとしましたーー(T_T)。
もっとも幸せな瞬間から、恐怖の淵に落とされるこの落差。怖いですねーー。

それにしても、この原因を作った張本人、修平の計画性のなさに腹が立ちました。全ての原因は、彼にあります。彼の著書「快適くらし学」が、聞いて呆れます。
でも、そんな矛盾性を持つのが、人間なのかもしれませんけどね。
また、済んでしまったことは、いくら悔いても、しょうがないのですから、早くその原因となったマンションを売り払えばいいものを、子供を犠牲にするなんて、許せない!そこら辺の優柔不断さに読んでいて怒りがふつふつとわきました

それにしても、堕胎の数値が、処分されるペットの数よりも多いなんて、ちょっとこれは、意外で、かつ、驚きでした。何かが間違っている・・・。

この夫婦に関わる精神科医、磯貝も、心に深い傷を持っているため、他の登場人物とともに、ホラーでありながら、人の心の温かさ、優しさに触れることの出来る良質の作品でした。

霊現象と精神医学・・・いったいどうなんでしょう・・・?











素材提供はM's Galleryさんです。