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「水の眠り 灰の夢」    
桐野夏生  


地下鉄爆破に遭遇した村野は、連続爆弾魔〈草加次郎〉の取材に動きだす。が、ふとしたことで知った女子高生が殺害され、彼は容疑者にされてしまう。真犯人を追ううちに、意外な真実が・・・。昭和38年、高度成長期を駆け抜けるブルーな東京を舞台に、週刊誌のトップ屋が親友の恋人への思慕を胸に活躍する、書き下ろしミステリー。 (表紙見返しより)


読み始めてみると、時代設定が昭和38年!今読むには、時代的なギャップが大きくて、前半はかなり混乱しました。
どうして、こんな昔の時代に設定したのかと思っていると、後半に、衝撃の事実が!(^^)
なんか、うすうすそんな気もしていたんですよねーーー(^^)。

でも、その事と切り離してみても、この小説は、面白かったです。私にとって久々に読む、本格的な推理小説でした。
次々と起こる事件と、小さな一つ一つのパーツをつなぎ合わせていく面白さは秀逸ですね。

この草加次郎事件をネットで検索してみると、実際にあった事件で、事件の経緯はこの小説の通りです。吉永小百合さんなど、脅迫状を送られた人たちは、怖かったでしょうねぇ。結局、迷宮入りしたこの事件を、桐野さんは、綿密に検証してこのような小説に書き上げたわけですね。実話を元にしているだけあって、読み応えがあり、重量級の面白さでした。
また同時に、今から40年前って、こんな時代だったんだなぁと、歴史も感じてしまいました。

と、この感想を書き始めて、自分の桐野夏生さんのリストを見ると、なんと昔読んだことになっているではないですか!(^^;。これは、まさに、第二の衝撃の事実!(^^;。これほどまでに完璧に内容を忘れているとは!!(^^;。まあ、感想を書いてなかったことだけが救いでしょうか・・・(^^;。 (2004.06.16)