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「ハルカ・エイティ」
姫野カオルコ  


やっぱ新時代の婦人は
これくらいさばけてなあかん
昭和の戦前、戦中、
戦後をごく平凡に、
だが常に前向きに生きた、
一人の女性の物語。 (帯より)



冒頭の第一章に、素敵な老婦人が出てきます。それが、この物語の主人公、ハルカの現代の姿です。
老け込まず、シャキッとしたその姿は、あこがれですね〜。
そんな彼女が、どんな生き方をしてきたかが、この物語なのです。
実は、最初から、戦前の時代の話で始まっていたら、きっと最後まで読めなかったと思います。こんな素敵に年を取るには、どういう人生を送ったらいいのかなという興味で、最後まで読み進むことが出来たような気がします。

驚いたことに、30代で幼稚園に勤め始めるまでは、割と平凡な人生です。むしろ、彼女の友達の方が、波瀾万丈。
彼女がはじけるのは、再就職してからですね。やはり、家庭に引きこもっているときより、格段に人と出会う機会が多いわけで、それからの彼女は、まあ、なんとさばけた人生を送ったことか。
とはいえ、家庭は、しっかりと彼女の地盤となっているわけで、そこに揺るぎがないところが、彼女の強みでしょうね〜。

ハルカは、実在の人物や事実を元にして書かれた物語だそうで、この時代の普通の女性と思われる人も、なかなかやることはやるのね〜っと少々驚きました。色々経験してこそ、その後の人生の彩りも華やかになるって事でしょうか。 (2006.03.21)