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「銀齢の果て」
筒井康隆  





老人であることは悪なのか?
70歳以上の国民に殺し合いをさせる
シルバーバトル
が遂に始まった! (帯より)




かいつまんで言うと、老人版「バトル・ロワイヤル」です。
でも、設定は、こちらの方が、リアルですね〜(^^;。
若者一人で7人の老人を支えなくてはならなくなった高齢社会に陥った日本政府が、財政を立て直すために、手っ取り早い方法をと行ったこの政策。
厄介者の高齢者を、互いに殺し合わせるんですから、その効果、抜群でしょう(^^)。
こういう、きついブラックユーモア小説は、あはは、と軽く読み進めればいいのでしょうが、その表現や、描写が、そこそこリアルなので、あははが、引きつってしまいました(^^;。これを、若者が執筆していたら、本当に笑い事ではないのですが、著者自身70歳を超えた対象者!なので、これは、やっぱり、あははと笑い飛ばしながら読んだ方がいいんでしょうねぇ。
でも、読んでいて、楽しくないのが致命的。
ちょっと私には、きつすぎる小説でした。

本の表紙の折り返しが銀色で、鏡みたいになっているので、そこに顔を映して、自分の顔の中に老いの影を探しながら読みました→自虐的!!(^^;。
山藤章二氏が描かれた登場人物42名の絵姿も、なにやら怖ろしげでしたよーーー(^^;。(2006.04.09)