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「スープ・オペラ 」
  阿川佐和子

   

阿川佐和子はホント、うまい。
いや、美味すぎる!北上次郎

ひとつ屋根の下の
独身女性と2人の男性
恋の花咲く長編小説(帯より)


阿川佐和子さんというと、”エッセー”というイメージだったので、久しぶりに気軽なエッセーを読んで見ようかなと思っていたら、なんと、長編小説でした。
阿川さんって、こういう本も書くのかと、びっくりしました。
最初は、思い違いを引きずりつつ、ダラダラと読んでいたのですが、途中から、面白くなってきて、一気に読んでしまいました。

35歳のルイを中心にした、個性溢れる登場人物たち。
結婚して、子供を育てて・・・という人生もいいけれど、先が決められていない、こんな生活も、いいじゃない、と思える本でした。

出会ってから、さほど経ってない男2人と、女一人の共同生活。
男女のややこしい関係のない、キャンプのような気楽さで、また、おいしいものを作るには、手間を惜しまない貪欲な面々。
食の趣味が合うっていうのは、本当に幸せです。

そんな気楽な3人の関係も、いつしか、壊れ、月日が流れ、そして、新しい関係が始まる・・・。
いつものスープに一手間掛けると、違う味になるように、そして、濃厚なスープを食べてばかりいると、さっぱりした基本のスープが食べたくなるように、人生も、色々と複雑なものなのですね〜。

おいしいスープ、と、ハムカツが食べたくなりました〜〜(^^)。 (2006.08.28)