シネマチェックトップページbook作家別index題名別index     


「八月の路上に捨てる」
  伊藤たかみ 


第135回 芥川賞受賞作
人間の妙味の豊かさには尋常ならぬものがある。ーー河野多恵子氏 (帯より)


芥川賞受賞作の「八月の路上に捨てる」と「貝からみる風景」の2編が、収録されています。

「八月の路上に捨てる」
ある夏の日、水城とアルバイトの敦は、いつものように、缶飲料の補充業務で、炎天下の東京を走り回っていた。
30歳を目前にして、明日、離婚届けを提出する敦は、離婚経験のある水城に、離婚の顛末を話すのだが・・・。
お互いに分かり合い、愛し合って結婚したはずなのに、いつからか、どこかのボタンを掛け間違って、離れてゆく心と心。結婚生活って、大変だなぁと、つらつら思います。 夫をバラバラ死体にする前に、熱い路上に、もろもろの思いを捨ててしまえば、凄惨な事件は起こらないんだけどねぇ。

「貝からみる風景」
こちらの夫婦は、幸せそうです。
同じ食べ物を食べていたら、考え方も似てくる?これ、分かるような気がしますねぇ。
同じ物を見たり、聞いたりして、同じ事を思い浮かべることが出来ることほど、幸せなことはありません。
こんな幸せが、いつまでも続きますように・・・。 (2007.02.23)