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「使命と魂のリミット」
  東野圭吾



心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。その目的を果たすべき日に、手術室を前代未聞の危機が襲う。心の限界に挑む医学サスペンス。 (「BOOK」データベースより)



いつもながらさらっと読めてしまった東野圭吾作品です。
今回の舞台は、病院。
父親の死に疑いを持つ研修医夕紀が巻き込まれた、病院脅迫事件です。
夕子がどうして父親の死に疑問を持ったのか、また、犯人が病院を脅迫する理由と、その方法が丁寧に、少しずつ解き明かされてゆきます。

それぞれに、大きな理由があり納得できないわけではありません。
ただ、夕紀に関して言えば、手術の事故うんぬんについては、密室とはいえ、専門家が何人もいる中で、故意にミスをするのは、無理があるように思えるし、第一、それは、医者としては、あるまじきことなので、その部分(というか、これが、メインの話なのですが)が、読んでいても、ずっと納得できませんでした。

ラストに、すべてが明らかになった時には、納得するどころか、ちょっとウルウルしてしまったのですが、それにしても、最初の段階で、大人だけで、コソコソしないで、家族として、最初からきちんと話し合えば、こんな苦労もなくてすんだのではと思ってしまいました。

とはいえ、相変わらず読みやすくて、さらさらと、気分よく読めました(^^)。 (2007.07.18)