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「西の魔女が死んだ」
  梨木香歩


中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを、西の魔女のもとで過ごした。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも・・・。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。 (裏表紙より)



学校に行けなくなった中学生のまいが預けられたのは、大好きなおばあちゃんの家。
そこは、自然が一杯で、まいが大好きな場所だった。そして、おばあちゃんは魔女だった・・・。

自然と調和して生きている人という印象のまいのおばあちゃんでした。大自然に囲まれて生きる彼女の姿とその生活は、とても美しくて素敵です。
そして、彼女には、自然とともに暮らすための生活の知恵がいっぱい詰まっていました。
便利な生活に慣れてしまった私たちは、いつしか、自然と共に生きる力を失っているのかも知れません。

おばあちゃんが魔女かどうかはともかく、自分の場所を見つけられなくなってしまったまいにとって、おばあちゃんの実施した、魔女養成講座は、とても役に立ったようでした。
そして、それは、まいだけでなく、みんなに共通して、必要なことなのでしょう。自分でよく考えて、決めること・・・。出来そうで、なかなか出来ず、やっていそうで、やっていないことかもしれません。
なんだか、とても励まされたような、すがすがしい気分で、明日を迎えられる気がしました。

この本は、1994年に出版されたのですが、今読んでも、全く古さを感じることはありません。まいのおばあちゃんの生き方に、やすらぎを感じます。
来年、映画化されるそうですが、この本のイメージを壊さないで欲しいと切に祈るばかりです。 (2007.11.06)




☆映画 「西の魔女が死んだ」