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「キュア」
田口ランディ  

命を救うのは悪いことではありません。
現代医療は科学の恩恵か、呪縛か。
神の手を持つ医師がたどりついた究極の治療・キュアとは? (帯より)



不思議な能力を持つ外科医、斐川は、その手術の完璧さから、「神の手」とも噂されていた。
しかし、そんな彼も、自分の専門であった肝臓癌に、自分自身もまた侵されていることを知る。自分を自分で執刀するわけにもいかない彼は、患者に施していた治療に、改めて疑問を感じ始める・・・。

癌に対する最良の治療とは何かを追求する医師の話です。
最新医療を担っている医師でも、現在の治療法に、疑問を感じることはあるのだと思います。でも、それ以上の治療法がない限り、それを続けるしかない。

癌があれば、患部を切り取り、再発しないように抗ガン剤を投与し、再発したら、また切り取る。そして、患者は、徐々に弱っていくのです。
抗ガン剤にしても、確実に癌に効くという確証はなく、そればかりか、正常細胞まで攻撃してしまうといいます。そう聞いてしまうと、抗ガン剤治療の恐ろしさばかりが感じられてしまうのですが、でももし、自分が癌になった場合、その治療を受けないでいられるものかというと、そんな選択も怖ろしくて出来ないような気がします。
やはり専門家である医師の言う事を聞いて、抗ガン剤を投与してもらうでしょうねぇ。

同じ癌でも、人によって効くクスリ、効かないクスリもあるそうで、そこら辺も、悩ましい問題です。
いったいどうしたらいいのでしょうか。早く、完全なる治療法が出来るといいのだけれど・・・。

そんなことを、この本を読んで、つらつらと考えさせられました。 (2008,04,01)