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「世界が終わる夜に奏でられる音楽」
楡井亜木子  


言葉にならない、
言葉じゃ足らない、
それでも、届けたい想いーー
気が強く恋人と長続きしない大学生・倉田莉絵の前に現れたのは、
背が高く綺麗な目をした無口な男の子、谷耕太。中学2年生だった。
話題の恋愛小説『はじまりの空』の著者が贈る、新しい「愛」の物語。 (帯より)



大学1年生の倉田莉絵が抱え込む問題。その一つは、気の強さ故に、すぐに男に振られてしまうこと。でも、この物語は、そんな彼女の気の強さがあったからこその話です。

老舗洋菓子屋の跡取り娘が、一人暮らしをしている東京で見つけたバイト先は、あろう事か、他店の有名洋菓子店。また、知り合いとなった主婦の遠い親戚の男の子、耕太と出会って、むくむくと、彼女の闘争本能に火が付いて・・・。

いったい耕太って、どういう子なんだろう、日本に住んでいて、14歳で、こんな事あり得ないと思いつつも、どんどん莉絵に感情移入してゆきました。
だって、こんな耕太みたいな子がいたら、ほっておけないですよね〜。
何度も何度も、耕太のそれまでの不幸が語られますが、それがしつこく思えないのは、やはり、人間、悲しい話が好きだからでしょうか。

そして、この、詩的だけれど、覚えにくい本の題名(^^;の一節が、本文の中に現れます。
これは、いったいどういう事でしょう。悲しいけれど、怖いけれど、心が打ちふるえるような感じでしょうか。

でも、最初から最後までつきまとった疑問は、義務教育なのに、結局この子は、学校に行かせてもらえないのか?ってことですねぇ。才能があるのは、分かったけど・・・(^^;。 (2008,04,13)