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「ゴールデンスランバー」
伊坂幸太郎  



俺はどうなってしまった? 一体何が起こっている? 首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、国家的陰謀から逃げ切れるのか? 二年ぶり千枚の書き下ろし大作。 (内容紹介より)




読み始めは、宮部みゆき風?!と感じましたが、その後、あっさりと年代が飛んでしまうところなど、やはり伊坂さんですね〜。
いったい、彼は、どうしたのか?あの事件の結末は??
その後は、どんどん、ストーリーにのめり込んでゆきました。
現在と過去とが交錯する形で、話が進んでゆくのですが、そのややこしさも、すんなりと頭が受け入れてゆきます。

普通の青年であった青柳雅春が、どうしてこんな事件に巻き込まれてしまったのか。
大きな力に翻弄される彼は、とても気の毒なのですが、彼のかつての仲間達が、彼の本質をしっかり把握していたところに、大きな救いがありました。
学生時代に出来た友達のありがたさ。あの時代こそ、人間としての素が出来るのかもしれないと、感じたりしました。

いろいろな登場人物たちが、それぞれに関わったこの事件。
大きな力に飲み込まれたり、妥協することなく、するりと行ってしまった彼らに拍手。
でも、なんで彼らが、こんな厄災に遭わなければならなかったのか。いいヤツらだっただけに、そのことだけが、口惜しい思いが残りました。 (2008,05,29)