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「シグナル」
関口尚  


地方都市の映画館でアルバイトを始めた恵介。そこで出会った映写技師の杉本ルカは、外へ一歩も出ることなく映写室で生活しているらしい。バイト採用の条件は、不可解な三つの約束を守ることだった。
一、ルカの過去について質問をしてはいけない。
二、ルカは月曜日になると神経質になるから、そっとしておくこと。
三、ルカとの恋愛は禁止。
散らばったジグソーパズルのピースを拾い集めながら、恵介は固く閉ざされた扉を押し開いていくがーーー。 (帯より)



映画館の映写室で暮らしている女の子と、そんな彼女を愛してしまった男の子の物語です。

ミステリアスなストーリーなのかと思っていたら、そうでもなく、最初は、単調なのですが、途中で、驚くようなキャラクターの男の子が出てきて、面白くなりました。

中盤から一気に読み進み、ラストは、綺麗な終わり方でしたが、問題が、全部解決されたわけではないので、人ごとながら、ちょっと心配?!

著者の関口尚さんは、映画館の映写室でアルバイトをしながら、小説を書き始めたそうで、その頃を彷彿とさせるような、映写室内の様子が描かれています。
私も、映画が好きですが、映写室には、入ったこともなく、どうゆう風に映画が、映写されているのか、とても興味深く読めました。
本の中にも、書かれていましたが、映画もデジタル化が進み、こういう風景も、きっと消えてしまうのでしょうね〜。 (2008,06,18)