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「犬身」
松浦理英子  



あの人の犬になりたい。
そして、人間では辿り着くことのできない
心の深みに飛び込んで行きたい。 (帯より)


昔「親指Pの修業時代」という本を読んで、なんと大胆な!!(^^)と、思ったことのある作家さんです。
今度はな〜〜んと、犬との種同一障害を持つと自認する女性が、念願かなって犬になってしまうという物語です。まあ、奇抜ですね〜〜(^^)。

最初は、主人公の女性が、種同一性障害に苦しむ?様子が描かれ、そこに現れるふたりの主要人物との関係が説明されています。ここら辺が、ちょっと長くて、読むのも大変でしたが、これが、この、不思議な物語にはいるための序章で、読者を納得させるのは、必要不可欠な部分でもあります。

中盤以降は、犬好きには、たまらないお話。だって、可愛い愛犬が、ちゃんと飼い主のことを理解して、彼女を助けようと頑張る奮闘物語になるのですから(^^)。
私は、完全な猫派ですが、犬も好きなので、犬の気持も、そして飼い主の気持ちもよ〜〜く分かって、読みながら、私に尻尾があったら、やっぱり同じように、ちぎれるばかりに尻尾を振りそうな気がしました(^^)。

後半は、飼い主の女性のドロドロした家族関係に嫌気がさしましたが、朱尾さんの存在で、ずいぶん助けられました。
それにしても、彼って、いったい何者だったのでしょう???????? (2008,10,17)