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「アイスクリン強し」
畠中恵

       


ビスキット、チヨコレイト、アイスクリン、シユウクリーム、スイートポテト。南蛮菓子から西洋菓子へと呼び名が変わり、新たな品々が数多登場。そんなスイーツ文明開化の東京で、孤児として生まれ育った真次郎は、念願の西洋菓子屋・風琴屋を開いた。そこには今日もまた、甘い菓子目当てに若い元幕臣の警官達がやってくる。菓子作りの修業に精を出したい真次郎に、厄介事が次々と…。著者の魅力全開!明治の築地居留地で、西洋菓子屋の若主人と元幕臣の警官達「若様組」が繰り広げる「スイーツ文明開化」騒動記。 (「BOOK」データベースより)



「しゃばけ」の畠中恵が放つ新シリーズ?!です。

時は、明治23年。登場人物は、洋菓子屋の真次郎と、元幕臣の警官たち。そして、成金の娘、沙羅。
タイトルは、アイスクリン、チョコレイト、シュウクリーム、ゼリケーキ、ワッフルスと、当時は、とても珍しかったであろう、そして、今も、みんなが大好きなスイーツが並んでいて、乙女心(?!)をくすぐります(^^)。

各章で、当時の時代を反映した小事件が起こり、それを登場人物たちが解決してゆきます。
そして、ご褒美のように、タイトルのスイーツたちが登場するのです。

なんといっても、明治20年代という時代が面白いですね〜。ほんの少し前までちょんまげ頭の江戸時代だったのに、今は、もう、洋装の男女が道を歩き、鉄道馬車や、郵便、警察など、新時代の波が怒濤のごとく押し寄せてきているのです。この変化の時代を人々は、どう乗り越えていったのでしょうね〜。

ストーリーは、とても軽くて、明るいです。スイーツでたとえるならば、プリンや、ゼリーのよう。歯ごたえはないけれど、つるんと読めました。人によっては、物足りないかも。
時代物が苦手な私にとっては、ちょっと読みにくいところもありましたが・・・。

そして、短編のシリーズ物の宿命ですが、各章で、人物紹介が繰り返されるのがうっとうしかったですねぇ。 単行本にするときに、その余計な部分をカットしたり出来ないものなのでしょうか。 (2009,01,20)