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「霊眼」
中村啓





柳川享子は、大学時代の友人・真弓が失踪したことを知る。フリーライターだった真弓は、山梨で起きた死体損壊遺棄事件に関心を示し、取材に出かけたまま行方がわからなくなったという。真弓の行方を捜し始めた享子だったが、次々と不審な現象に遭遇する。やがて幽霊や、前世の因縁が渦巻く怪奇の世界に足を踏み入れることに。そして、霊的な知覚を可能にする”第三の眼”を巡る大きな企みに巻き込まれていく。 (帯より)



第7回『このミステリーがすごい!』大賞の優秀賞受賞作です。
ちなみに、この時の大賞は、「臨床真理」と「屋上ミサイル」のダブル受賞でした。

ミステリーといっても、これはホラーですね。
特に、冒頭は、読む人を選ぶようなシーンが描かれています。私は、なんとか大丈夫でしたけど(^^;。
その他でも、夜読んでいると、ちょっと、これ、怖いよなーーー。というところも多くて、なんだか久々に怖い思いを感じながらの読書になりました。

テーマは、題名そのまま”霊眼”です。
私自身は、霊感もないし、あまりこの手のスピリチュアルは、信じられないのですが、そういう力を持つ人も、いてもいいとは思います。ただ、偽物っぽい人があまりにも多いので、不信感はあるのですが。

ストーリーは、自分の周りに次々と起こる不幸な出来事に怯える女性が、失踪した友人を捜して、不可思議な事件に巻き込まれてゆくというものです。
中盤までは、何故彼女が、ここまでするのか?とは思いつつも、霊的な話や、前世の話などが面白くて、ずんずんと読み進めました。
でも、終盤は、少々暴走気味で、ありゃまぁ〜と思ってしまいました。ちょっと話が広がりすぎたかなぁ。

それから、作者の書き方もあるのでしょうが、主人公・享子の鈍感さには、ちょっと辟易としてしまいました。霊感がない普通の女性でも、もっと勘は鋭いですよ〜〜。 (2009,04,21)