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「びっくり館の殺人」
綾辻行人  
   


あやしい噂が囁かれるお屋敷町の洋館、その名もびっくり館。館に住む少年と友だちになった三知也たちは、少年の祖父が演じる異様な腹話術劇におののくが・・・クリスマスの夜、ついに勃発する密室の惨劇!悪夢の果てに待ち受ける戦慄の真相とは?!ミステリーランド発、「館」シリーズ第八弾、待望の文庫化。 (裏表紙より)



綾辻行人さんの「館」シリーズ第八弾です。
なにしろ、「十角館の殺人」以来、ずっと読み続けている作家さんなので、おぉ、やっと出たのか!とも、まだ「館」シリーズが続いているのか!とも思いつつ読みました。

ただ、今回の作品は、講談社ミステリーランドに書き下ろされた作品で、
このミステリーランドという所のコンセプトが、「かつて子どもだったあなたと少年少女のための〜」というものらしく、
子どもも読めて、大人も楽しめるミステリー小説なのだそうで、今までの「館」シリーズ作品とは、ひと味違いました。

主人公は、小学生の男の子だし、おどろおどろしさも、子ども向けな感じの作品でした。

でも、確かに、子どもの頃、こんな感じの怖い物語を読んだような気がします。
なんだか懐かしい感じもしましたねぇ(^^)。

また、かつての”本格”好きの人のためにか、本文中に、「虚無への供物」や、「迷路館の殺人」が出てきたりして、これまた、ニヤリとしました。

作品としては、そんなわけもあり、ちょっと軽めで、
ある、ぼかして書かれてあるところに、謎を解く鍵を発見できてうれしかったり、簡単すぎて、ちょっとがっかりだったり、読者心理としては、少々複雑かも。

でも、いいのです、綾辻さんだから(^^)。

今は、次の「館」シリーズ、第九弾「奇面館の殺人」を執筆中とか。
頑張ってください(^^)。 (2010,11,01)