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月の影 影の海
小野不由美




「お捜し申し上げました」 女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか。戦わねばならないのか。怒濤のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。(裏表紙より)



まだ十二国記とはなんなのかがよく分からないまま、少女漫画風のイラストが表紙になっている(新潮文庫)本を手に取り、いよいよ”十二国記”本編を読み始めました。

これがまあ、最初から、笑っちゃうほどのファンタジー!
何でもありのファンタジーが、少々苦手な私は、わぁ、これは、ついて行かれないかもーーー(^_^;と、少々ビビってしまったのですが・・・。

でも、読み進んで中盤に入ってくると、だんだんと面白くなってきました。
どんどんファンタジー世界に入っていくのは、変わりがないのですが、それがいい方に感じられ始めたのは、登場人物のキャラクターに、惹かれたのが、大きな理由だと思います。
何も分からず、全く違う世界に連れてこられた陽子が、葛藤しつつ、必死になって戦う姿ももちろんいいですが、半獣の楽俊がとにかく可愛い!!(*^o^*)。

それにつれても思うのは、この世界観を作り上げるのは、どれだけ大変なことだろうということでした。
逆に言うと、それが、ファンタジー作品を作り上げることの楽しみなのでしょうけれど。

この作品は、異世界の巧国に無理矢理連れてこられた女子高生・陽子が、苦労してその世界に慣れながら、自分の生きる道を見つける物語です。

十二国記自体は、各物語に共通の主人公は存在しないそうなので、この前読んだ「魔性の子」も、そうなのですが、今回の主人公である陽子や楽俊の話がここで終わりなのはとっても寂しい・・・(T_T)。

でも、次の作品も、早く読みたくなりました。 (2015,11,25)