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貴族探偵
麻耶雄嵩


信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か?捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生!傑作5編を収録。 (裏表紙より)



フジテレビで連続ドラマ化されるそうなので、先取りして読みました。
著者はかつて”本格(新本格?)ミステリー”が流行した頃にも名前をよく目にしていた作者さんなので、懐かしさも感じたわけです。

5編の短編が収録されていました。

「ウィーンの森の物語」
山荘で起きた密室殺人事件。
密室殺人ではお馴染みの、糸を使った密室ですが、なんとその糸が切れてしまったら?!という、変則的なストーリーでした。
でも、短いので物足りなかったです。

「トリッチ・トラッチ・ポルカ」
頭部と両腕が切り取られた殺人事件。
怪しい人物には、完璧なアリバイがあった・・・。
そのアリバイを崩す、予想外の推理とは??

「こうもり」
女子大生が有名温泉旅館で遭遇した殺人事件。
完璧なアリバイを崩した推理とは??

「加速度円舞曲」
山道で突然の落石。そして、発見した死体。
その原因を推理すると・・・。
ちょっとわかりにくかったです。

「春の声」
資産家の孫娘の婿候補3人が殺された!
その犯人とは?
少々ややっこしいけれど、そこがまた奇想天外で面白かった。

”貴族探偵”は、”安楽椅子探偵”かと思わせておいて、結局何にもしないのでした(^▽^)。
彼がするのは、女性の尻を追いかけるだけ!?

短編なので軽い話が多く、私は物足りないですが、ちょっと長めの「春の声」が”本格”っぽくて一番楽しめました。

嵐の相葉雅紀主演のTVドラマはどうなるのでしょう。
軽い話なので、楽しめるかな?
トレードマークの髭は、ないようですね。
(2017,04,05)