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夜愁
サラ・ウォーターズ


1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で生きるケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たち。戦争を通じて巡り合った人々は、毎日をしぶとく生きていた。そんな彼女たちが積み重ねてきた歳月を、夜は容赦なく引きはがす。想いは過去へとさかのぼり、隠された真実や心の傷をさらけ出す。ウォーターズが贈るめくるめく物語。ブッカー賞最終候補作。 (帯より)



今はまっているサラ・ウォーターズの作品です。
今まで読んだのは、「半身」「茨の城」
本作は、ブッカー賞最終候補作となった作品と言うことで、期待しながら読み始めました。

時代は、第二次世界大戦中のロンドン。
ドイツ軍の爆撃によって荒れ果てた街で生きる人々の生活が描かれます。
登場人物それぞれの紹介は少なく、どうして彼が、彼女が、こういう状況になり、こう考えているのかが、よく分かりません。
その状況が、長く続くので、読むのがどんどん辛く、もしくは、つまらなくなってしまいました。
でも、最後にその謎が話されます。
遅すぎる!!(^_^;。

そんなわけで、なかなか登場人物に感情移入することが出来ず、しかも、時代背景が戦争中なので、その殺伐とした描写にも面白みを感じることが出来ず、淡々と読み進み、そして、ラストに、ああ、そうだったのかと、遅まきながら納得したという感じ。
また、登場人物たちも、いつもの彼女の本の中に出てくる人と同じく同性愛者が多く、ちょっとそのあたりは、マンネリ感がありました。 (2018,05,22)