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満願
米澤穂信



「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが・・・。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六編を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短編集の金字塔。山本周五郎賞受賞。(裏表紙より)



苦手な短編集でしたが、全編どういう結末になるのか、ゾクゾクするほど面白かったです。
特に面白かったのは、

「万灯」ビジネスマンとして成功を収めている主人公が、困難に立ち向かうために道を踏み外してしまう。全てが完璧なはずだったのに、何が彼を待ち受けていたのか・・・。思いもかけないラストでした。でも、それまでに、それとなく伏線が張られていて、素晴らしいです。

「夜警」警察官に向かない男・・・。やっぱりそんなのってあるんですね。そして、そんな彼が、こんなことを考えていたなんて!誰も知ることのない戦慄の真実でした。


しばらくこの作家さんに、はまってみようかな。 (2019,03,06)