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白銀の墟 玄の月(一)(二)
小野不由美
 
戴国に麒麟が還る。王は何処へーーー 乍驍宋が登極から半年で消息を絶ち、泰麒も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李齋は慶国景王、雁国延王の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。ーー白雉は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!



シリーズ6年ぶりの新作です。
待ちに待ってました!
ということで、図書館の順番が来るまでの間、シリーズの過去の作品を読み返しておりました。
でも、うっかりしていて、新作が(四)まであるのを知らずに、(二)までしか予約しておらず、(三)以降は、またしばらくお預けです(T_T)。

久しぶりに新作を読んで思ったのは、小野さん、バージョンアップしたなぁということ。
このシリーズは、ファンタジーなのですが、その世界観がとてつもなく広くて詳しくて、まるで新しい世界を1から作り上げているといった様相。
中でもこの新作は、その点がずば抜けているように思いました。
たとえば、国の組織のひとつひとつの階級の仕事や思惑まで、また、たとえば、その地に住む人たちの動静など、事細かに書かれていて、本当に、この世界がそこにあるように思えるのでした。
ただ、少々詳しすぎて、読むのが大変ーー漢字の読み方も難しいし(^_^;ーーなのですが。

そんな中、少しずつ大筋の動きがありました。
蓬莱から帰ってきた泰麒の動静。
彼の思惑はいったい何処にあるのでしょう。

そして、泰麒と分かれた李齋たちの動き。
遅々として進まない驍宋の行方と安否の捜索がとうとう決着するのか?!

6年間の驍宋の空白の時間をどう埋めるのか、それとも、違う方向に進んでしまうのか、後半がますます楽しみになりました。 (2020,08,03)