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紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人
歌田 年
 
どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所。ある日そこに「紙鑑定」を「神探偵」と勘違いした女性が、彼氏の浮気調査をしてほしいと訪ねてくる。手がかりはプラモデルの写真一枚だけ。ダメ元で調査を始めた渡部は、伝説のプラモデル造形家・土生井と出会い、意外な真相にたどり着く。さらに翌々日、行方不明の妹を探す女性が、妹の部屋にあったジオラマを持って渡部を訪ねてくる。土生井とともに調査を始めた渡部は、それが恐ろしい大量殺人計画を示唆していることを知りーー。



2020年・第18回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作です。

紙鑑定士がジオラマ・・・ディオラマか?・・・の謎を解きながら事件を解決する話です。

まず、紙鑑定士とはなんぞや?ということですが、これで、仕事としてやっていけるものなのかとても疑問が沸きました(^_^;。でも、今回、他の才能が、この事件で開花したようなのでよかったです・・・(^_^)。

ということで、仕事柄、紙に関する蘊蓄が語られています。
”紙”には、興味がなかったので、それほど興味はそそられませんでしたが、”ジオラマ”の方はとても面白かったです。
子供の頃、プラモデルは好きで、少し作ったりしていたので、それを思い出しながら読みました。

ジオラマの細かい所まで見切って、そこから推理するところは、とても楽しかったです。
小さな箇所も見逃さずに、ズバッと助言する土生井さんはすごい!(^▽^)。
でも、ちょっと都合が良すぎるところもあったような、ないような・・・(^_^;。

二つの事件の依頼がありましたが、その深刻さのギャップが大きくてビックリです(^_^;。
でも、大きな事件も小さな事件も取り混ぜて、十分シリーズ化していけそうな感じだし、映像化も出来そうな話で、その上、登場人物たちのキャラも面白かったので、これからが楽しみです。 (2020,08,10)