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鹿の王 水底の橋
上橋菜穂子
 


2015年本屋大賞受賞作『鹿の王』その先を描いた命の物語! 何よりも大切にせねばならぬ人の命。その命を守る治療が出来ぬよう、政治という手が私を縛るのであれば、私は政治と戦わねばなりません。



「鹿の王」の続編です。
といっても、”鹿”たちは出てこず、天才医術師ホッサルがメインの医療エンタテインメントでした。

前作同様、登場人物の名前とその関係に戸惑いながら、本編と、人物紹介を交互に見ながらの読書となり、初めのうちは、少々大変でした(^_^;。
しかし、半分を過ぎる頃には、それも慣れ、本文に集中することが出来て、面白く読み進むことが出来ました。

医療と風習は、相反することもあり、それによって摩擦も生じるわけですが、
大切なのは、命を救うこと。
失敗をして、批判に晒されながら、医学は進歩していくものなのでしょう。
コロナ禍の今だからこそ、なおさらそれが分かるような気がします。

ホッサルの立ち位置は、危ういものだったけれど、全てがうまくいってよかったです。
前作の「鹿の王」もまた読み直したくなりました。

食いしん坊なので、”香酢魚”の件(くだり)を読んでいたら、まだ食べたことはないけれど、”フナ寿司”が食べたくなりました(^▽^)。 (2020,08,19)