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アクロイド殺人事件
アガサ・クリスティ



この1作で「探偵小説の女王」の名声は決定した。
医師シパードの綿密な手記の中に影のように浮かび上がってくる殺人者は誰か。
全てを見通す灰色の瞳を持つ名探偵エルキュール・ポワロは、
どんな些細な証拠も逃さず複雑な謎の網をしだいにたぐり寄せて、
驚くべき真犯人とそのトリックを看破する本格長篇。(カバーより)



アガサ・クリスティの名作です。
クリスティは、この作品で「探偵小説の女王」の名声を得たそうですが、今でもクリスティ作品の中で、この作品の人気は高いそうです。
一番人気は「そして誰もいなくなった」だそうです。さもありなん。こちらも再読したくなりました。

さて、この作品には、ポアロの相棒、ヘイスティングズは、登場しません。
彼は、前作の「ゴルフ場殺人事件」のあと結婚して、アルゼンチンで牧場を経営しているとか。
彼が出てこないのは寂しいですが、その代わりに、ポワロのお隣に住む医師のシパード先生が、ヘイスティングスの代わりのような役割を演じています。

前半のポワロは、仕事から引退してすっかり普通のおじさんっぽいですが、後半になると、微に入り細にいるような事実の積み上げによる謎解きが堪能できました。

この作品は、大昔に読んだことがあったのですが、コロナ禍になって外出する機会もなくなった昨年、久しぶりに読み返し、また、今回再再読しました。
すると、今まで何気なく読んでいたそこここに、犯人の微妙な思いなどが書かれているところがあり、なるほどね〜と、うれしくなってしまいました。
でも、それも、二回読んだからこそ。
一度読んだだけではすっと読み飛ばしてしまうようなちょっとしたことなのですが・・・。 (2021,07,19)