シネマチェックトップページbook作家別index題名別index     

愛国殺人
アガサ・クリスティ


憂鬱な歯医者での治療を終えてひと息ついたポアロの許に、
当の歯医者が自殺したとの電話が入った。
しかし、なんの悩みもなさそうな彼に、自殺の徴候などまったくなかった。
これは巧妙に仕掛けられた殺人なのか?
マザー・グースの調べに乗って起こる連続殺人の果てに、
灰色の脳細胞ポアロが追い詰めたものとは?
解説:小森健太朗(裏表紙より)


クリスティの作品としては、固い題名だなと思ったのですが、原題は、「One, Two, Buckle My Shoe」・・・これは、マザー・グースの数え歌で、そのために、本作の各章は、この歌詞が題名となっています。
私は、全く知らなかったので、変な題名だなと思いつつ読んでいました(^_^;。

この固い邦題(元の米題が「The Patriotic Murders」なのでしょうがないのですが)のせいか前半は、あまり面白みを感じる事が出来ず、クリスティ作品としては初めて、あまり乗る事が出来ずに読み進みました。
犯行の時間と、登場人物の行動を、いつもの作品のように、ポアロが時系列をきちんと整理して表にでもしてくれていたら、もっとすっきりと読めたかも知れません。
また、登場人物があまり魅力的でなかったのも残念でした。
まあ、でも、終盤の畳みかけるようなポアロの謎解き!これは面白かったです(^▽^)。

この作品は、以前、ドラマで見た事があって、なんとなく覚えていたのですが、その時も、あまり面白くない印象でしたっけ。
それにしても、ポアロが歯医者とはねぇ。彼の隠された一面?が垣間見れてちょっと愉快でした。 (2022,04,22)