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ヒッコリー・ロードの殺人
アガサ・クリスティ




外国人留学生の多いロンドンの学生寮で盗難騒動が次々と起き、
靴の片方や電球など他愛のないものばかりが盗まれた。
が、寮を訪れたポアロは即刻警察を呼ぶべきだと主張する。
そしてその直後、寮生の一人が謎の死を遂げる。
はたしてこれらの事件の裏には何が・・・。
マザーグースを口ずさむポアロが名推理を披露する。 (裏表紙より)


学生など若い人たちの住む寮で、不可解な盗難事件が続き、その後、殺人事件が起きる・・・という話でした。

この作品の一つの目玉は、ポアロの優秀な秘書であるミス・レモンの姉が管理人を務める寮で起こった事件ということで、ミス・レモン姉妹が関わっていることです。
ミス・レモンは、今までにも登場したことがあるのかないのか、記憶にないのですが、今作の彼女の個性はとても強烈で面白かったです。
さすがのポアロも圧倒されている感じでした。

ただ、作品としては、今までポアロ登場作品を読んだ中で一番読みにくく、また面白みがなく、さらに読んだ後も納得出来ない作品でした。
まず、舞台となる寮に住む登場人物たちの、出自、職業(専攻学問)などが当然バラバラなので、名前や、そのアイデンティティが全く頭に入ってこず、今まで以上に”登場人物の紹介”と照らし合わせて読まなければならず、それがとっても面倒でした(T_T)。
また、結末の部分も、リュックの件もあわせて、そんな事あり得る?と、納得出来ず、読み終わってもモヤモヤ。

そんなわけで、この本に関しては、ポアロとミス・レモンとの掛け合いだけが面白かったという感想となりました。 (2022,11,01)