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第三の女
アガサ・クリスティ


自分が犯したらしい殺人についてご相談したい。
そう言ってポアロを訪ねてきた若い娘は、
結局何も告げないまま立ち去ってしまった。
その午後、事情通のオリヴァ夫人から事情を聞いたポアロは、
俄然興味を示し、夫人と共に調査を始める。
だが娘の周囲に殺人の匂いはなかった・・・
死体無き殺人の謎をポアロが追う。 (裏表紙より)


いよいよポアロ登場作品も残り少なくなりました。
それに伴ってポアロ自身も、年を取り、最終的には100才以上と検証しているものもありました。
そんなわけで、この作品でも、若い女性に、「年をとりすぎている」なんて言われてしまうポアロ翁・・・お気の毒です(^_^;。
そんなポアロは、そう言われたことに、少しばかり傷つきながらも、いつもの通り、自分では動き回らずに、カウチポテトならぬカウチ謎解きで、脳内でめまぐるしく灰色の脳細胞(あぁ、この言い回しも久しく聞いてないな)を働かせます。

この作品で特徴的なのは、ポアロの脳内での動きが、克明に描かれていることでしょうか。
それはまさしくポアロの思考経路の発露です。
彼がどうやって謎を解き明かしてゆくのかがよく分かり、それなりに面白いのですが、また、それなりに七面倒くさい感じもするのでした(^_^)。

例によって、終盤になって見事に解明され、「!」と驚くわけですが、今回の話は、大分無理があるように感じました。 いくらなんでも、それはないのでは無いかしら〜。
残り4作のポアロの活躍に、期待したいと思います。 (2023,02,20)