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牧師館の殺人
アガサ・クリスティ


嫌われ者の老退役大佐が殺された。
しかも現場が村の牧師館の書斎だったから、普段は静かなセント・メアリ・ミード村は大騒ぎ。
やがて若い画家が自首し、誰もが事件は解決と思った・・・
だが、鋭い観察力と深い洞察力を持った老婦人、ミス・マープルだけは別だった!
ミス・マープルの長篇初登場作を最新訳で贈る(裏表紙より)


いよいよミス・マープルシリーズを読むときがやってきました。
とはいえ、ミス・マープルのことはよく知らず、海外ドラマでも、ほとんど見たことがないかもしれず、どんな感じ?と思いながら読み始めたのでした。

ただ、この作品では、思ったほど、彼女の出番はありませんでした。
物語のストーリーテラーは、殺人現場となった牧師館の主である牧師のレオナルド・クレメント。
その牧師館の隣の家に住むのが、ミス・マープルです。
最初は、出しゃばりなおせっかいおばあさんとして登場して、中盤は影薄く、終盤になってやっと、警察を尻目に、明快な謎解きをしてくれました。

しかも、彼女の生い立ちなども語られていないので、イマイチ馴染みが薄いまま読了してしまいました。
彼女は、この作品の前に、短編の作品に登場していたそうで、そちらを先に読むべきだったかも。

本編は、いつものクリスティーものを踏襲していて、あらゆる人が疑わしい。
特に気になってしまったのが、語り部を務める牧師さん。まさか、あの作品のようなことはないでしょうと思いつつ、最後まで疑ってしまいました(^_^;。

これからのミス・マープルの活躍にも期待です。 (2023,05,13)