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七つの時計
アガサ・クリスティ




ロンドン郊外のチムニーズ館に宿泊していた若い外交官が、睡眠薬を飲んで変死した。
死体の枕元には七つの目ざまし時計が・・・
この事件と、謎めいた<セブン・ダイヤルズ・クラブ>の関連は?
謎は謎を呼び、推理と冒険が入り乱れ、事件は思わぬ展開を!
『チムニーズ館の秘密』に続く、波瀾万丈の冒険ミステリ 解説:古山裕樹 (裏表紙より)


「チムニーズ館の秘密」から数年後、館の主人ケイタラム卿は、屋敷をサー・オズワルド・クートに貸し出していた。そんなある日、滞在していた若い外交官が変死してしまう・・・。
金持ちとはいえ、大きな屋敷を2年契約で貸し借りするって、どんな道楽だろう??落ち着かないし、その都度大変だと思うけれど、すべての雑事は使用人がするから構わないのか。貧乏人には理解しがたい道楽です。

そんなことを感じつつ、予定通り”バトル警視”シリーズの2作目を読みました。
前作の流れで、チムニーズ館が出てくるし、登場人物も、バトル警視をはじめとして、馴染みのある人たちが多いので、続けて読んだおかげで、コロナ禍時代に読んだときよりもさらに面白みが増したように感じます。
ただ、後半は、忘れていたことも多く、なんと!!とか思いつつ読みました(^▽^)。
ついこの間読んだばかりだったのに、登場する若者たちの名前がなかなか覚えきれなくて、その点、人物紹介を度々見返しながら、ちょっと四苦八苦だったのが、自分でも情けなかったです(^_^;。

ストーリーは、チムニーズ館のたわいもない若者の戯れシーンから一転、その中の一人が死亡。そして、チムニーズ館の娘バンドルの冒険が始まります。
元気はつらつな彼女ですが、友人が何人も死んでゆく中、彼女の行動は、無謀とも思えましたが、事件が解決してみると、やっぱり彼女の身の上も、風前の灯だったなと改めて思うのでした。
この作品は、クリスティの長篇9作目なので、主人公も若々しくて、行動力に溢れ、読んでいて楽しいです。 また、会話にも、ウィットがあり、クスッと笑えるところも多々ありました。 (2024,02,04)