罪名、一万年愛す
吉田修一
絶海の孤島で、事件は起きた
ある富豪から招かれて島にやってきた私立探偵。
この一家には、誰にも言えない秘密があったーーー
物語の名手が初めて挑む、本格的ミステリーにして感涙の衝撃作(帯より)
探偵?ミステリー?歴史?SF?恋愛?いろいろなジャンルを超えた作品でした。
舞台は、長崎の孤島。
しかも、嵐が来るという、いわゆるクローズド・サークルでした。
そんな島で、そんな時に、富豪が行方不明に・・・。
彼は一体どこへ??
ただ、これは、富豪行方不明の話だけではありません。
その原因となったのは、45年も前に起こった主婦の失踪事件、そして、それよりも、さらに昔、日本が戦争に負けた頃の話とつながっていました。
最後は、SFのようにもなっていて、いろいろな楽しみがありました。
そして、「あぁ!」という仕掛けも。
戦後の混乱期の孤児たちの話は、胸に刺さりました。
ラストは、富豪がずっと心に秘めていた事実が、まざまざと蘇ります。
さすが吉田修一さん、すらすら読めて、心に残る作品でした。
(2025,04,21)
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