無実はさいなむ
アガサ・クリスティ
慈善家の老婦人が殺され、評判の悪い養子のジャッコが逮捕された。彼はアリバイを主張したものの有罪となり、獄中で死んだ。それから二年後、外国から帰ってきた男が、ジャッコの冤罪を告げに遺族の住む屋敷を訪れた。が、その来訪は遺族にとって迷惑だった。落着したはずの事件が蒸し返されることになったのだ。(裏表紙より)
「源氏物語」「枕草子」と、日本文学の古典をしばらく読んでいたので、ひさしぶりのクリスティーでした。
資産家の女性が殺され、犯人も捕まったが、2年後、犯人の冤罪が分かり、再び犯人捜しが始まった・・・という話です。
ノンシリーズなので、探偵は出てこず、家族一人一人の思惑が淡々と述べられている感じ。
探偵役になるのかなと思っていた人は、途中でいなくなり、そして、また最後に唐突に登場します。
それ故、なんとなく、まとまりの悪い感じがしました。
やはり事件には、探偵が必要なのかもしれません。
ラストに急に、犯人が分かるので、読みながらの犯人当ての楽しみがあまりなく、なんだか、残念な感じもしました。
ただ、家の中に、必ず犯人がいるという状況は、みんなが疑心暗鬼になってしまい、それまでの平和な生活が根底から覆されてしまう感覚が、よく分かりました。
愛していても、疑惑が払拭されないのでは、やはり、それまでの生活には、戻れないのかもしれません。
最後の最後に真犯人が分かり、急転直下、人々の生活も元に戻ったり、新しい展開になったりと、
最後は、バタバタな感じがしました。
(2026,01,16)
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